樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

武器禁輸のこれまでとこれから(J-142)

国内政治と世の関心が自民党議員の裏金問題で明け暮れる中、日・英・伊三国の共同開 発による次期戦闘機の第三国への輸出が認められることになった。これまで難色を示し てきた公明党が一定の条件のもとに歩み寄ったのである。 日本もようやく世界の常識が通…

新型コロナのこれまでとこれから(J-141)

このブログを始めたのは2020年3月で、新型コロナによる閉じこもり生活がきっかけの 一つであった。だから当然のごとく、Jシリーズ(爺怪説)の第一回目は「COVID -19は最強か」と題した新型コロナの話題となった。以来30数回にわたり新型コロナ に…

アカツキジャパンに注目(J-140)

「東京オリンピック」・・・と言っても3年前の話ではない。60年前の1964年(S39) に開催された、第一回東京オリンピックから話を始めたい。 国土の大半が焦土と化した敗戦から、わずか20年足らずで奇跡の復興を果たした日本は この年、世界に先駆けて高速鉄…

毎日新聞の世論調査に疑義あり(J-139)

戦争あり、地震ありで、内外共に喫緊の要事を抱える中で、岸田内閣の支持率低下が下 げ止まらない。 発端は裏金問題だが、それ自体は岸田内閣の責任に帰する問題ではない。国民は岸田首 相のリーダーシップの無さに失望しているのである。 それにしても2月19…

ECIと日本(J-138)

読売テレビに「そこまで言って委員会NP」というバラエティー番組がある。 2002年5月に特別番組として放映されたのが始まりで、2003年からレギュラー番組化さ れ今に続いている長寿番組だ。もう20年を超えたことになるが、日曜日のお昼というこ ともあり、随…

無敵の人(Y-65)

「無敵の」を広辞苑で調べてみると、“敵対できるものがない”“力の及ぶ相手がない”と あります。つまり、無敵とは”敵がいない“ではなくて”匹敵する者がいない“ことである と理解できます。 この言葉が、外国語の翻訳時などに生まれた、いわゆる“和製漢語”なの…

犬食禁止法と食文化(J-137)

これまでも、しばしば国際社会から非難されてきた韓国の「犬食」がようやく法律で禁 止されることになった。1月9日、韓国議会は出席議員210人中賛成208、反対0,棄権2 という圧倒的多数で「犬食禁止法」(犬の食用目的の飼育、食肉処理及び流通などの終 息…

新年早々の災害・事故と課題(J-136)

新年を迎え、なるべくなら明るい話題を取り上げたかったのだが、早々に生起した災害と事故が頭から離れず、しかもその報道が表面的すぎるように感じられるので、不本意ながらそのことについて述べてみたい。 世界情勢が厳しい中、日本は穏やかに暖かい正月を…

OECDのPISA結果をどう読むか(J-135)

OECDが2000年から3年毎に実施している国際学力調査がある。 正式名称は「Programme for International Student Assessment」(国際学習到達度調査) で、多くの国で義務教育が終了する15歳を対象としている。本来なら2021年に実施さ れ るはずの第8回目調査が…

靖国神社について(9)(Y-64)

ここまで。靖国神社に関する経緯や問題点などについて、長い話を続けてきましたが、 現在も問題解決の方向は定まっていません。これまでに提案された解決策は、いずれも 各方面全体からの支持を得るには至らず、今は完全に手詰まりの状態です。それらの解 決…

靖国神社について(8)(Y-63)

<富田メモ> 「富田メモ」とは、平成18年7月20日に日経新聞が一面トップで「昭和天皇A級戦犯靖国 合祀に不快感」と報じる根拠となった、元宮内庁長官・富田朝彦氏のメモのことです。 富田氏は平成15年に亡くなりましたが、手帳14冊、日記13冊の記録を残して…

靖国神社について(7)(Y-62)

<靖国問題とは> 「靖国問題」で検索するとウィキペディアに次の6項目が挙げられています。 信教の自由の問題 政教分離に関する問題 歴史認識に関する問題 戦死者・戦没者慰霊の問題 A級戦犯に対する評価の使い分け 宗教的合理性と神道儀軌に関する問題 し…

靖国神社について(6)(Y-61)

<占領下の靖国> 靖国神社の一郭に「招魂斎庭(跡)」という一郭があり、そこはかつて御霊を合祀する 前の「招魂祭」という儀式を行うために設けられた聖なる場所でした。元は約7000坪ほ どの広さでしたが、今は使用されないため、そのほとんどが駐車場にな…

靖国神社について(5)(Y-60)

<靖国神社に祀られる英霊> 靖国神社に祀られている英霊の総数はなんと246万6千余柱にも上ります。 「英霊」という呼び名になったのは日露戦争の後からで、それ以前は「忠霊」或いは 「忠魂」と呼ばれていました。靖国神社の前身である東京招魂社創立の趣旨…

靖国神社について(4)(Y-59 )

この回は<靖国神社に祀られる英霊>について述べる予定でしたが、その前にその前身 である「東京招魂社」が誰の発案であったのか、またその目的が何であったのかを確か めておきたいと思います。一般的には、発案は大村益次郎で、その目的は戊辰戦争にお い…

靖国神社について(3)(Y-58)

<神社の種類と格付け> 明治新政府は、慶応4年(明治元年)「神道国教化」の方針を採用し、本地垂迹説に代 表されるそれまでの神仏習合を禁じる太政官布告(神仏判然令)を発しました。 本地垂迹説とは、日本の神々は仏が化身したものだという一種の神仏同…

靖国神社について(2)(Y-57)

<靖国神社の創設> 靖国神社のホームページには、その創建についてこのように記されています。 “靖国神社は、明治2年(1869)6月29日、明治天皇の思し召しによって建てられた招魂 社が始まりです。明治7年(1874)、明治天皇が初めて招魂社に御親拝の折にお…

靖国神社について(Y-56)

はじめに 先月半ばにこんな夢を見ました。 自分はまだ現役で、仕事を終えて家に帰ると5,6人の若者が私を待ち構えていました。 訳を聞くと、“「靖国神社」について意見を聞きたい”というのです。彼らの中では、意 見が分かれてまとまらないので教えてほしい…

ALPS処理水の海洋放出について(J-134)

日本政府と東電はIAEAのお墨付きを得て、8月24日スペース的に限界に達しつつあった 福島原発ALPS処理水の海洋放出に踏み切った。これに対し、中国政府が猛反発し、それ に呼応した中国国民からの嫌がらせや迷惑行為が拡大している。 これまで、どちらかとい…

マッカーサーの予言(J-133)

毎度のことだが、8月15日になると複雑な気分になる。 メディアはこの日を「終戦記念日」或いは「終戦の日」と呼ぶ。まずそれが気に入らな い。8月15日は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」なのである。歴史的事実を言うな らば、この日は「玉音放送により日…

国歌は語る(最終回)=関係五か国の総まとめ(Y-55)

このシリーズでは、国名や国旗・国歌にはその国の成り立ちや性格、或いは民族の願い などが内包されているという前提に立ち、我が日本と関係の深い4か国について個々に 述べてきましたが、最後に総まとめとして、分析比較してみたいと思います。 この作業は…

国歌は語る(その5)=日本編ー2 (Y-54)

<日本の国旗> 日本の国旗は、法律上は「日章旗」一般には「日の丸」と呼ばれ、白地に赤い丸という シンプルな柄ですが、万国旗を並べた時にはとても存在感があります。また、「日本」 という国号にピタリとはまった見事なデザインだと感じます。それは「国…

国歌は語る(その5)=日本編ー1 (Y-53)

日本の歴史を遡ってゆくとやはり建国神話にたどり着きます。それ自体は珍しいことで はありませんが、朝鮮やその他の国の例と大きく違っているところが二つあります。 一つは、その神話が現在まで途切れることなくつながっているということです。具体的 には…

国歌は語る(その4)=韓国編 (Y-52)

<韓国の誕生> 朝鮮半島の歴史をどこまでも遡ってゆくと神話にたどり着きます。 一番古いのは、白頭山に降臨した天神の子と熊女の間に生まれた檀君が平壌で建国した という「檀君朝鮮」神話です。この後に、殷の一族箕子が殷滅亡時に朝鮮に逃れて建国 したと…

国歌は語る(その3)=ロシア編 (Y-51)

<ロシアの誕生> 8世紀ごろの歴史地図を開いてみると、ユーラシア大陸の広大な北方部分には川と湖の 名しかありません。人は住んでいたのでしょうが、国家らしきものは存在せず、世界と の関係はなかったということなのでしょう。年表には“862年 リューリク…

国歌は語る(その2)=中国編 (Y-50)

<中国の誕生> 中国の歴史は古く、どこまでも辿れば、黄河・長江文明と呼ばれる紀元前5000年までも遡ることが可能です。 確認できる最古の王朝は前1.6世紀ごろの「殷」で、以降数多の王朝が栄枯盛衰を繰り返 し、1912年の辛亥革命で「清」が倒れるまで続き…

国歌は語る(その2)

国歌は語る(その1)=アメリカ編 (Y-49)

前回のブログで、「国歌」はその国の成り立ちや性格を知るうえで、大いに役に立つと 述べましたが、実は「国名」そのものや「国旗」についても同じことが言えます。 それらを交えながら、日本がこれまでもこれからも、否応なくお付き合いせざるを得な い米・…

英国王の戴冠式から(Y-48)

5月6日、英国王チャールズ3世の戴冠式が行われました。 実に70年ぶりとあって、大いに世界の関心を集めるものと思われましたが、それほどで もなかったというのが私の印象でした。 購読紙毎日新聞の扱いもいたって冷ややかで、この日大したニュースがなかっ…

手製爆弾襲撃事件の遠因(J-132)

今は遠く離れて、会うこともままならない友人から突然の電話があった。 声を聴くのも何年ぶりかなのだが、不思議にもその空白感がない。時間的・空間的な距 離というものを感じないのである。 そのような友を「心友」という。しみじみと有難さを感じる存在だ…