樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

韓国大統領選の行方 (J-85)

何でもありのあまり美しくない選挙戦を繰り広げるのはいつものことで、何が起きよう

と驚きはしないが、どうやら先が見えてきたお隣韓国の大統領選である。

当初は、かなりリードしていたはずの与党代表・李在明候補は、数々のスキャンダルな

どで徐々に支持率を下げ、最近の世論調査では野党候補の尹錫悦候補に逆転を許してい

るようだ。この状況に危機感を抱いた李在明候補の過激な反日的発言は、ますますスエ

スカレートするばかりだが、それらは起死回生の有効打とはならずむしろ逆効果となっ

ているように見える。

例えば、“韓米日同盟には当然反対”、“日本は友邦国家なのだろうか”といった発言や、

大韓民国親日勢力と米占領軍の合作で南北分断はアメリカの所為”といった発言は、

支持層にさえも大統領としての資質に不安を抱かせている。

これをチャンスとみたか野党の尹候補は思い切った策に出た。

「私が大統領になったら韓日関係改善をすぐに取り掛かる」と発言したのである。

これまで、かの国で親日的発言で支持を伸ばした例はおそらくない。先の全斗煥大統

領評価発言とおなじく、またも謝罪する羽目になりはしないかと、他人事ながら心配に

もなるが、この発言が炎上しないところを見ると、いわゆる”反日疲れ“が予想以上に広

がっているのかもしれない。

しかし、仮に尹候補が大統領になれば、すぐにでも日韓関係が良くなるかというと、な

かなかそうはなりそうにない。というのも、尹候補は、両国関係発展の原則は1998年

の「韓日共同宣言」に盛り込まれている」と続けたからだ。

1998年の韓日共同宣言とは、訪日した金大中大統領と小渕恵三首相が会談した際にまと

め上げた合意「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」を指している。

この共同宣言は、韓国の段階的な日本文化の開放や、日本の韓流ブームの契機となるな

ど、確かに両国の文化交流を拡大発展させたが、わずか3年後には教科書問題などがき

っかけとなり、韓国議会が全会一致で「韓日関係全面見直し決議」が採択されて宣言そ

のものが事実上破棄される結果となっている。

宣言の内容は2002FIFAワールドカップに向けた協力や文化交流、在日韓国人の地位向

上、逃亡犯引き渡しといったあまり”差しさわりのない“テーマが主体となっており、

いわゆる歴史問題には一切触れられていない。

今にして思えば、中身は薄く、問題は“まくら”にあった。

つまり、最初の部分、小渕首相が発した「我が国が過去の一時期、韓国国民に対して植

民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受け止め、痛切な

反省と心からのお詫び」と、金大統領の「これを評価し未来志向的な関係を発展させ

る」という文言である。

日本側としては“過去を水に流して”の未来志向のつもりであったかもしれないが、韓国

にとっては、“未来に向けて“の変わらぬ”痛切な反省と心からのお詫び“を確約したもの

であったようだ。だとすれば両者には大きな隔たりがある。

だから、朝日新聞がことあるごとに持ち出す「日韓共同宣言」に立ち返っても、友好ム

ードは決して長続きしない。

多くの日本側の識者が言うように、両国間に横たわるいわゆる“歴史問題”は、実は韓国

の国内問題なのである。韓国の親日売国という図式が変わらない限り真の友好関係は

生まれない。それは単なるムード作りで解決できるものではなく、韓国側の国内法改正

法の撤廃を必要とする問題だ。だから外交上の「○○宣言」や「○○合意」などをまと

め上げても、一時のブームに終わる。それが戦後の日韓関係の歴史だと思う。

そもそも論的に言えば、古今東西隣国どうしは仲が悪いのが常である。例外は、例えば

アメリカとカナダのように一方の力が圧倒的である場合かあるいは共通の敵を抱えてい

る場合である。客観的に見れば、韓国は強い側に隷属して生き延びてきた歴史がある。

常に、周辺国を支配する(あるいは次に支配しそうな)勢力を敏感に察知しその王朝や

国家に素早く乗り換えて身の保全を図ってきた。ざっくり言えば、日韓併合もその延長

線上にある。

近年韓国は国防費を一貫して増大し、ついに日本を追い越してしまった。それが日米韓

同盟の強化につながるのであれば特に問題はないのだが、革新政権のときほど増大幅が

大きいことがちょっと気になる。その裏に、駐留米軍の排除という狙いがあるのだとす

れば由々しき問題だ。米軍が撤退すれば間違いなく中韓同盟が出来上がる。

地政学的な重要度は昔よりは薄らいでいるとしても、韓国には”喜んでご主人様の先棒

を担ぐ”という習性があるのでそこがまずいのである。

いずれにせよ、次期韓国政権の国防費や装備には注目すべきかと思う。

                            2021.11.19