筆者は、コロナの影響と対策の良否を評価するには、
「死亡数」に注目すべきであると何度か述べてきた。
それも、コロナ原因に絞るのではなく、全体の死亡数-
極論すれば平均寿命にどう影響したか―といった視点が
必要ではないかと主張(遠吠え)してきた。(J-9,J-11,J-17)
だから、評価するには早すぎるのではあるが、このほど、
ある程度その方向が透けて見える中間的データが発表された。
6月26日厚労省が発表した「人口動態統計速報」によると、
2020年4月の死亡者数は11万3,362人で、前年の11万2,939人
とほぼ同じであった。
このデータに注目したのはアメリカ系のオンラインメディア、
ハフポストである。
ハフポストによると、
この数値は、“行政側が発表する死亡数は嘘ではないか”という
疑念を払しょくするもので、「超過死亡」はないと断定している。
「超過死亡」とは、例年の数値よりも極端に多数の死者が出た場合、
何らかの要因があるとする考え方である。
私はハフポストのレポートに拍手を送りながらも、少々物足りなさを
感じたので、実際のデータに当たってみることにした。
統計局のデータによると、令和2年の推定死亡者数は1,414,000人で、
対前年比で0.36%の増加と予想している。
先に述べた今年4月と前年の比423人増は、ほぼこの推定値どおりとなる。
ところが、1~4月を合わせたデータで見てみると、令和元年の死亡数が
492,559人、今年が482,155人で、なんと50万人以上になるという予想が、
1万人以上も少ない結果となっているのである。
まるで炎上覚悟で当ブログに書いた「コロナの効用(4.10)」のような
結果ではないか。
行政府がこの事実を口にしない理由は、国民を油断させない意図が
あるからだと思う。しかし、
日本のメディアはいったい何処に目をつけているのだろうか。
もし見えないのなら、まずは色眼鏡を外してみることだ。
見えているけど書くのは嫌だというなら、しかたがない、
ペンを捨てることをお勧めしたい。
コロナが収まった後、各国のデータを是非見てみたいと思うが、
それも海外メディアに頼らざるを得ないのであろうか。
2020.06.30