樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

メディアの目(J-27)

 

筆者は、コロナの影響と対策の良否を評価するには、

「死亡数」に注目すべきであると何度か述べてきた。

それも、コロナ原因に絞るのではなく、全体の死亡数-

極論すれば平均寿命にどう影響したか―といった視点が

必要ではないかと主張(遠吠え)してきた。(J-,J-11,J-17

 だから、評価するには早すぎるのではあるが、このほど、

ある程度その方向が透けて見える中間的データが発表された。

 

626厚労省が発表した「人口動態統計速報」によると、

20204月の死亡者数は113,362人で、前年の112,939

とほぼ同じであった。

このデータに注目したのはアメリカ系のオンラインメディア、

ハフポストである。

ハフポストによると、

この数値は、“行政側が発表する死亡数は嘘ではないか”という

疑念を払しょくするもので、「超過死亡」はないと断定している。

「超過死亡」とは、例年の数値よりも極端に多数の死者が出た場合、

何らかの要因があるとする考え方である。

私はハフポストのレポートに拍手を送りながらも、少々物足りなさを

感じたので、実際のデータに当たってみることにした。

 

統計局のデータによると、令和2年の推定死亡者数は1,414,000人で、

対前年比で0.36%の増加と予想している。

先に述べた今年4月と前年の比423人増は、ほぼこの推定値どおりとなる。

ところが、14月を合わせたデータで見てみると、令和元年の死亡数が

492,559人、今年が482,155人で、なんと50万人以上になるという予想が、

1万人以上も少ない結果となっているのである。

まるで炎上覚悟で当ブログに書いた「コロナの効用(4.10)」のような

結果ではないか。

行政府がこの事実を口にしない理由は、国民を油断させない意図が

あるからだと思う。しかし、

日本のメディアはいったい何処に目をつけているのだろうか。

もし見えないのなら、まずは色眼鏡を外してみることだ。

見えているけど書くのは嫌だというなら、しかたがない、

ペンを捨てることをお勧めしたい。

コロナが収まった後、各国のデータを是非見てみたいと思うが、

それも海外メディアに頼らざるを得ないのであろうか。

                       2020.0630