樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

コロナが明らかにしたことと今後のこと(J-19)

かれこれ20数年、飽きもせず川沿いの道を散歩している。

その間に、

バレーボール選手ほどしかなかった桜の苗木は大木となり、

護岸工事が進んでカワセミの姿が減った。

それらは、いつの間にか徐々に変化してきた現象なのだが、

中には急変した現象もある。

その代表が、河原や岸辺の草花である。

20年前、圧倒的な存在感を示していたのは、

セイタカアワダチソウの黄色の波であった。

それがキバナコスモスに変わり、

(間違えてました、オオキンケイギクです)

そして今は、一面の菜の花となっている。

 

セイタカアワダチソウ衰退の原因は、

“蔓延り過ぎた”ことにある。

この草の根には、他の植物の発芽を抑制する働きがあって、

それが自身にも作用するらしい。

そしてもうひとつ、

蔓延り過ぎたがゆえに“嫌われ者”となり、

市が対策として、草刈り作業を開花前にずらしたことだ。

菜の花は、浚渫工事のあと勢力を伸ばしてきた。

それまで、ジュズダマなどが生えていた領域などが、

ことごとく菜の花に変わったのである。

このように、自然界では何かのきっかけにより、

その勢力図に大きな変化が起きる。

視野を広げてみれば、地球規模でそういう変化が起きている。

 

実は、人間社会も同様なのである。

私は世界史が苦手なので、高校の世界史副読本「世界史図録」を

いつも身近に置いている。

それを眺めるたびに思うのだが、

12世紀ごとに世界の勢力図は大きく変化している。

その要因は様々ではあるが、大雑把に言えば、

“蔓延り過ぎた国家はいずれ崩壊する”ということであり、

天変地異やパンデミックが、

そのきっかけになることもあるということだ。

今回のコロナ禍で明らかになったことは、

アメリカの衰退と中国の存在感である。

世界中が生活必需品や医療品などの多くを中国に依存している

ことを実感しているはずだ。

期待されている日本発のアビガンも、その原材料は中国と聞き

唖然とするばかりである。

国連の15の専門機関の事務局長の大半が中国人かあるいは

WHOのテドロスのような親中派で占められ、アメリカが

“アホくさ!”とばかりに資金援助を打ち切ろうとするのも

無理はない。

すでに、UNIDO(国連工業開発機関)からは、

米・英・仏・加・豪・蘭・新西蘭・葡萄牙が脱退している。

アメリカはこれまで、最大の資金援助国でありながら、

すでに嫌われ者となり、日本は事務局長に立候補しても

中国が対立候補の票を集めるので当選できない。

既にアメリカのお株を奪った感がある中国の伸びしろは

もう少しあるかもしれないが、

世界は中国の”蔓延りすぎ“に警戒感を抱き始めている。

ゆえに、米中の対立は共倒れに終わる可能性もある。

彼らの沈没の渦に巻き込まれないために、

日本はどの方向に進めばいいのだろうか。

相変わらず、アジアのリーダーシップを目指せという主張

も数多くある。

しかしそれは、同じ過ちを繰り返すことになりかねない。

 

ならばということで、しばし地球儀を観ながら妄想してみた。

日本は南北に長い島国であり、その地理的な特徴が様々な利点と

なっている。

その利点をさらに拡大することができる手はないのだろうか。

つまり、時差なしグループ、いわば「同経度連合」の形成だ。

台湾、フィリピン、オーストラリア、ニュージランド等

との交流を深め、緊密な関係をつくりあげることだ。

これらの国々は、日本とは互いに補い合う関係にあり、

まことに相性がいい。

時差が少なく季節が反対になることも何かと都合がいい。

その関係を中心に据えてTPPを発展させるのである。

ついでに、周辺の島しょ国も仲間に入れ、

中国票の供給源にならないようにすることだ。

 

私の小さな花壇には、おそらく40種ほどの植物が共生している。

それを可能にしているのは、蔓延る種は私の手によって

引き抜かれるからである。

                2020.05.11