樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

LAの黄金期を築く日本人選手たち(J-157)

立春を過ぎたころから大寒波が襲来し列島は冷え込んでいる。

2月22日、今日からオープン戦が始まるというのに、わが春日井市も朝から雪で少々積

もりそうな気配である。

この時期ホットニュースを届けてくれるのは、いつもならウィンタースポーツの選手た

ちなのだが、今年は少し様相が異なるようだ。いろんな競技で選手たちは結構頑張って

いるのだが、金銀銅合わせて37個のメダルを獲得したアジア冬季競技大会なども、いつ

の間にか終わった感がある。実は、昨年後半からスポーツ界の話題を独り占めしている

ような現象が今も続いている。言うまでもなくそれは、「LA」である。ホットと言って

も山火事ではない。勿論、ロサンゼルス・ドジャースという野球チームのことである。

 

昨シーズンLAは、最高勝率(98勝)でポストシーズンに進み、4年ぶり8度目のワールド

チャンピオンとなった。その原動力となったのは新規加入の大谷、山本、グラスノー、

T.ヘルナンデスであり、加えて故障者続出で負け越した7月のピンチに、トレードで獲得

したコペック、フラハ-ティの両投手とユーティリティープレーヤー・エドマンの活躍

である。中でも前人未到の50-50を達成し、DH初というおまけ付きで3度目のMVPに輝

いた大谷の活躍は特筆すべきものであった。今シーズン二刀流復活が予定される彼への

注目度はかつてないほど高まっている。

チーム隆盛の主役はこれらの選手たちなのだが、言い換えれば、全てはフロントの成功

物語でもある。

当然のごとく、LAの観客動員数は史上最高となり、敵地の球場ばかりかいわゆる消化試

合でさえも観客が詰めかけるという現象が常態となった。

同僚のフリーマンが、“ショーヘイ見たさの観客ばかり。彼の最終打席が終わると僕の

打席の前にみんな帰り始める”と嘆くほどのショーヘイフィーバーが及ぼす経済効果は

絶大だ。史上最高額の契約に対しても“LAは安い買い物をした”という声がもっぱらであ

る。

いうまでもなく、LAは人気実力共にMLBを代表するチームの一つで、ポストシーズン

常連(22回)でもある。しかし、ワールドチャンピオンの8回は全体の5位であり、27

回のヤンキースには大きく水をあけられている。LAの経営陣としては、これに並ぶのは

遠いとしても全体の2位を不動のものとし、ヤンキースを追いかける存在になろうとす

るはずである。それは、とりもなおさずかつてのヤンキースのような黄金時代を築くこ

とを意味している。

その姿勢は、昨シーズン終了後の野心的な補強策にも現れており、ストーブリーグにお

けるホットな話題の中心には常にと言っていい程LAの姿がちらついていた。

LAは先ずFAの目玉サイヤング賞2回のブレーク・スネルを獲得し、20球団以上とも言わ

れる争奪戦の末、佐々木朗希の獲得にも成功した。さらには昨シーズンレンジャーズで

33セーブを挙げたカービー・イェーツとパドレスの好投手タナー・スコットを獲得し

て、昨シーズン火の車状態であった投手陣を“過剰”と言われるほどに補強した。

野手陣は駒が揃っているので大型補強はないが、外野にはホームラン20本OPS.759の

マイケル・コンフォート、内野には韓国のキム・ヘソンでギャビン・ラックスの穴を埋

めた。

 

そうこうしているうちに、早くも開幕戦まで1か月を切った。

LAの開幕戦は3.18、全体の開幕より一足先に日本で実施される。

相手は今永と鈴木誠也がいるシカゴ・カブスである。どうやら山本VS今永の先発になり

そうで、2戦目のLA先発は佐々木朗希になる可能性が高い。これでは盛り上がらないわ

けがない。チケットは”お宝”と化した。

 

今シーズン、MLB最大のテーマはLAの連覇である。他球団はこれを阻止する戦いにな

る。大型補強に成功したLAは、戦力的に見て間違いなくポストシーズンには進出するに

違いない。ファンの中には。116勝というMLBのシーズン最多勝を更新して120勝に到達

するのではないかと期待する声もある。しかし、そう簡単でないのがこの世界だ。

 

では、LAの連覇の可能性を占う前に昨シーズンを簡単に振り返ってみよう。

レギュラーシーズンの戦績は98勝64敗で勝率.605は全体の1位であった。今はレギュラ

ーシーズン中もリーグを問わず全チームと対戦する決まりなので、ドジャースがワール

ドチャンピオンになるのはある意味順当だともいえるが、パドレス、レッズ、フィリー

ズには対戦成績で負け越している。ポストシーズンにおいても、パドレスには先に王手

をかけられてからの逆転であった。

レギュラーシーズンの戦績を数字的に眺めてみると、総得点840、総失点685で、1試合

平均にすると5.2点と4.2点ということになる。これを細かく見ると、得点が2点以下では

勝率が1割代で、3点でほぼ5割、4点では勝率が6割になる。5点以上になると勝率は8割

に跳ね上がる。これは、ブルペン陣が充実していることの証左でもある。大谷がエンゼ

ルスにいた時代、逆転負けが多かったために、“なおエ”(なおエンゼルスは・・・で敗

れました)という言葉が生まれたが、“なおド”はなかったということだ。実際先発陣が

壊滅に近い状態でポストシーズンを戦い抜くことができたのは、ブルペン陣の頑張りの

おかげであった。

 

さて、今シーズンのLAはどのような戦いぶりを示してくれるのだろうか。最多勝利記

録の116勝を更新しファンが期待する120勝に到達する可能性はあるのだろうか。

120勝を挙げるためには概ね3勝1敗のペースで、7割5分という勝率だ。

なんだか出来そうな数字にも見える。しかし、15勝5敗の投手が8人必要だと考えると、

とてつもなく達成困難な目標にも見えてくる。

では、連覇達成に向けてスタートする26人のロースターを予想してみよう。

登録される26人の内、投手枠は13人であるが、大谷ルール(二刀流はカウントされな

い)のおかげでLAは実質的に投手を14人登録することができる。

予想メンバー

 投手

 先発  グラスノー、山本、佐々木、スネル、ゴンソリン (開幕ローテ)

     大谷、メイ、ミラー、カーショー (6人体制又は交替要員)

 中継ぎ コペック、バンダ、ベシア、トライネン、スコット

 押さえ フィリップス、イェーツ

投手陣は、フラハティ、ビューラーが移籍し、稼ぎ頭のストーンが故障したのは痛い

が、佐々木、スネルを獲得した上、ゴンソリン、メイ、大谷がケガから復帰することを

考慮すると、間違いなく大幅な戦力アップである。期待若手のミラーが昨日(2.21)頭

部に打球を受けた影響が気がかりではあるが、層が厚いので問題ないだろう。

 

野手陣は、韓国から移籍のキム・ヘソンがマイナー行きという情報が流れていて不確定

だが、概ね次のような編成になるだろう。

捕手  スミス、

内野手 フリーマン、ロハス(キム)、マンシー、ベッツ

外野手 コンフォート、エドマン、T.ヘルナンデス

DH  大谷

ベンチ バーンズ、E.ヘルナンデス、パヘズ、テイラー

予想される打順は監督次第だが、トップから大谷、ベッツ、フリーマン、T.ヘルナンデ

ス、コンフォート、マンシー、スミス、ロハスエドマンと並べてみると、やはり5点

くらいは叩きだしそうな怖い打線である。

 

果たして、LAは初の連覇を達成し、さらには黄金時代を築くことができるのだろうか。

その可能性は十分あるようにも思う。

LAの主力選手は比較的若く、長期契約を結んでいる選手が多い。大谷、山本、佐々木の

日本人トリオが、ケガ無く本来の力を発揮すれば大きな力になるだろう。とくに、1年

目にして早くも明らかになった”大谷効果“はチーム全体に相乗効果を生み出すに違いな

い。

出来れば、野手の中に日本人選手が加われば完璧だ。例えば巨人の岡本和真のような大

砲である。そうなれば、LAの黄金時代は日本人選手の黄金時代としてMLBの歴史に残る

だろう。

余談ながら、私にとって、昨シーズンのLAのワールドチャンピオンは嬉しい誤算であっ

た。リハビリ中の大谷があそこまで活躍するとは思ってなかったし、あまりにもケガ人

だらけだったからである。だからケガ人が復帰する今シーズンこそがチャンスだと予想

していたのである。

今シーズンのLAは、おそらくかつてないほどに強力だ。しかし、最高勝率116勝に迫る

としても、いくら何でも120勝は・・・・と考えているが、これも嬉しい誤算に終わ

ることを願っている。

                       2025.2.22