樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

日はまた昇るか(J-155)

今年(2025)のお正月、太平洋側ではほぼ快晴の天気が続き、各地から初日の出や富士

山の映像などが届けられた。

昨年は、元日早々の能登半島地震により、新年の一般参賀も急遽中止される事態となっ

たが、今年はコロナ禍における事前抽選のような制約もなく、6万人を超える国民が

「日本晴れ」の皇居に足を運び新年を祝った。

さて、ここでいきなりの余談となるが「日本晴れ」という表現はいつごろから始まった

のだろうか。

「日本語源広辞典」によると、「日本」は(最高・最上)を意味するそうで、「日本晴

れ」は最高の晴れ即ち「快晴」ということになる。

また、江戸時代語辞典では、「日本」は物事を称賛する語として安永末年ごろに流行し

たと説明されている。

さらに余談を続けると、「安永」というのは1772~1781年の年号で、徳川10代将軍

家治の時代である。それは偶然にも今年の大河ドラマ「べらぼう」に描かれている蔦屋

重三郎が活躍した時代でもあるが、イメージ的には「田沼意次の時代」と言った方が分

かり易い。また、この時代は「おかげ参り」が盛んになったころでもある。

さらにさらに脱線を続けるならば、「べらぼうの」語源についてである。

広辞苑では、

“べらぼう(便乱坊・可坊)

寛文(1661~1673)年間に見世物に出た、全身まっくろで頭がとがり目は赤く丸く、

あごは猿のような姿の人間。この見世物から「ばか」「たわけ」の意になったとい

う。“ と解説されている。

しかし、これではなぜこの怪人を「べらぼう」と名付けたのかが分からない。

20数年前、たしかある落語家のエッセイではなかったかと記憶するが、「べらぼう」の

元は「便乱棒」であり、昔の汲み取り式トイレにおいて便が落下したときに生じる

“はねかえり”を防ぐために中間に設置した「棒」のことであると得意げに解説してい

た。真偽は定かでないが説得力はある。

話を元に戻そう。

日本晴れでスタートした今年、スポーツ選手の活躍やEVの弱点が露になったことに伴う

日本車の人気復活などもあって、なんとなく明るいムードが漂っている。危ぶまれた少

数与党政権もその低姿勢が功を奏して与野党の歩み寄りがうかがわれ、案外うまく運ん

でいるように見える。

一方、世界に目を移せば、どこもかしこもややこしい状況だ。

2024に行われた欧州議会選挙において、主要国の中で国政与党が勝利したのはイタリア

のみで、他は概ね与党が大敗するという結果となった。

イギリスでは労働党が650議席中411議席を獲得し(209議席増)14年ぶりに政権を獲得

したが、得票率を見るとわずか1.6p(32.08⇒33.70)の上昇にとどまっており、盤石な

基盤を獲得したというわけではない。

フランスは、極右政党・国民連合(RN)が躍進して31.37%(1位)の得票を得たのに

対し、マクロン大統領を支持する与党連合の得票は14.6%にとどまった。

選挙権が16歳以上に改訂されたドイツも連立与党は大きく議席を減らし(42⇒31)、極

右政党のAFD(ドイツのための選択肢)のみが議席を増やした(+4)

これらの状況を踏まえ、今はやりのAI(copilot)に“ヨーロッパ諸国政治の右傾化”と

いう題を与えたところ、ほんの数秒で次のような小論文(?)を提示してきた。

 

現代政治における右傾化の波

はじめに

近年、ヨーロッパ諸国の多くで政治の右傾化が進んでいます。これは一部の国で反移民政策やナショナリズムの台頭として顕著に現れています。こうした動きは、経済的な不安や文化的なアイデンティティの危機に対する反応とも言えます。本稿では、ヨーロッパ諸国の政治の右傾化がもたらす影響について詳述し、その背景と将来的な展望を探ります。

経済への影響

右傾化した政策は、しばしば国内の産業保護を強調し、グローバル化に対する反発を示すことがあります。これにより、以下のような経済的影響が生じる可能性があります。

保護主義の台頭

多くの右派政党は、自由貿易協定に懐疑的であり、国内産業の保護を優先する傾向があります。これは、関税の引き上げや輸入制限を伴うことがあり、国際貿易に影響を与えます。

企業の信頼感の低下

政治の不安定化や予測不可能な政策変更は、企業の投資意欲を削ぐ可能性があります。特に多国籍企業は、安定した経済環境を求めるため、右傾化した政策が進む国から撤退する動きも見られるでしょう。

社会への影響

右傾化した政治の影響は、社会全体にも及びます。これには、移民政策や人権問題、社会的結束力に関する課題が含まれます。

移民政策の厳格化

右派政党の多くは、移民受け入れを制限する政策を支持しています。これは、労働市場社会福祉制度に対する圧力を軽減する一方で、多様性の減少や労働力不足を招く可能性もあります。

人権問題

一部の右派政党は、人権問題に対して厳しい姿勢を取ることがあります。これにより、特定のグループが差別や迫害を受けるリスクが高まります。

国際関係への影響

ヨーロッパ諸国の右傾化は、国際関係にも波及します。これには、EUとの関係や隣国との外交関係が含まれます。

EUとの緊張関係

右派政党は、しばしばEUの政策に反対し、国の主権を強調する傾向があります。これにより、EU内での協力が困難になる場合があります。例えば、EUの移民政策や環境規制に対する反発が挙げられます。

隣国との関係

ナショナリズムの台頭は、歴史的な対立を再燃させる可能性があります。特に、国境を接する国々との緊張が高まることが懸念されます。

まとめ

ヨーロッパ諸国の政治の右傾化は、経済、社会、国際関係に多大な影響を与える可能性があります。経済的には保護主義の台頭や企業の信頼感の低下が懸念され、社会的には移民政策の厳格化や人権問題の悪化が予想されます。また、国際関係においてはEUとの緊張関係や隣国との対立が深まる可能性があります。これらの課題に対処するためには、冷静な議論と協力が必要です。将来的には、これらの動きがどのように展開し、どのような結果をもたらすのかを注視していく必要があります。”

 

以上の通りAIの解説は常識的な内容ではある。移民・難民問題はEUだけでなく米・豪・

加などにも当てはまる課題だ。

一方、我が国及び周辺の国々は、地理的な環境から移民・難民問題を抱えてはいない

が、それぞれ個別の問題を抱えている。

ロシアにはウクライナ戦争の泥沼化があり、中国は経済の失速が顕著になってきた。

目も当てられない状況に陥っているのは韓国だ。保革の分断は激しくなるばかりで政治

は機能不全である。さらには、極端な出生率の低下がある。日本の出生率が置換水準の

2.07を下回ったのは1974年であったが、実はこの時点で韓国はまだ3.77と人口増の水準

を維持していた。それが瞬く間に0.72まで下がり、今や絶滅危惧種レベルである。

世界がそんな状況なのに、あろうことかトランプ大統領が登場した。

彼の頭に「国際協調主義」はない。

第二次世界大戦以降、紛れもなく世界を方向づけてきたのは「国際協調主義」であり、

それに乗っかった日本はそれなりに恩恵を受けてきた。その国際協調主義に危機がおと

ずれている。とりもなおさず、それは日本の危機でもある。

しかし見方を変えれば、この状況は日本が存在感を示すチャンスかもしれない。

世界の中で、近年日本の評判(好感度)は相対的に高まっている。

かつて日本は、機械や電気製品の品質で高い評価を得たが、同時にエコノミック・アニ

マルとも呼ばれた。近年はむしろ日本(人)の精神性が評価されている。

増え続ける訪問客も観光というよりは日本文化を体験するタイプのものが増えている。

和食文化もサブカルチャーも、その中に潜む精神性を合わせて楽しんでいるように見え

る。海外で活躍するスポーツ選手も間違いなく日本(人)の印象を良くしている。彼ら

の中には時に”武士道“を感じさせるものがある。

要するに、何となくではあるが、日本人(人)は少し自信を取り戻しつつあるように見

える。

世界をけん引してきた「国際協調主義」が行き詰まりを見せているのは、グローバリズ

ムの本質が「統一ルール」であると思い込んだところにあるのではないだろうか。

それを主導してきたのはヨーロパである。ISO,SDGsなどがその典型であり、それが国

際協調主義のベースになると信じているようもみえる。確かにそれはある程度必要だ

が、絶対ではない。よいグローバリズムになくてはならないもの、それは”多様性“であ

る。言い換えれば”良いローカリズムだ。

外国のどこか例えばアメリカ国内を旅行するとしよう。すると日本ならどこにでもある

その土地の特産品つまり○○饅頭とか△△煎餅といったようなものがないことに気づ

く。元々なかったのか大企業に圧倒されて消えてしまったのか、それは分からないが

そこにはよいローカリズムが残されていない。

グローバリズムが統一ルールをつくりあげ(それはしばしば一方的に)問答無用に従わ

せることだとすれば、やがて行き詰まり分裂するだろう。国際協調は多様性を尊重しな

がら達成しなければならない。

歴史的に、“日本人はみんな同じで個性がない”と海外から言われ、ややもすると日本人

の中にもそう信じる者がいた。しかし、それは大いなる誤解である。手っ取り早いとこ

ろで、MLBの選手たちを見ればいい。最も個性的なのは日本人選手ではないか。

日本人が同じに見えるのはマナーが身についているからである。

と言っても、”カナダはアメリカの52番目の州になった方がいい”などと言う人にはそれ

は分からない。

マナーのベースには、“寛容性”と“思いやり”が含まれる。

このところ世間を賑わしている中居正広のスキャンダル報道を観察すると”平和だな

あ“と思う反面、まるで韓国を見ているようで気が滅入る。

新年早々明るい話題もいくつかあって、日本復活の兆しかと期待してはいるのだが、

琴桜のようなこともあるので、まあほどほどにしておくとしよう。

                          2025.1.29