樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

日本の韓国化現象を憂える(J-83)

タイトルを見るや”何を馬鹿なことを“といきり立つ人がいるかもしれないが、まあ最後

までお聞き願いたい。私が懸念しているのはそこなもので・・・。

つまり、何を言っても“聞く耳を持たない”人が増えているような気がして、何となく憂

鬱なのである。

例を挙げればきりがないが、眞子内親王の結婚問題もその一つ。

 

10月26日午前中に婚姻届けを提出して小室夫妻となられたお二人は、午後にはおそろい

で記者会見に臨まれ、これにて一件落着かと思いきや、どうもそうではないらしい。

そこには、”聞く耳を持たない人たち“と”この問題を終わらせたくない人たち“の存在が

色濃く感じられ、それが私に韓国の「正義連」を連想させるのである。

あえて言わせてもらうならば、元婚約者と呼ばれている方とその代理人とされる週刊誌

の記者もこれと同類のように感じられて仕方がない。

批判は小室母子に集中しているが、週刊誌の記者が絡んでいることからして、元婚約者

側に早期円満解決を望む気はあるとは思えないのである。

小室圭さんの名がニューヨーク州の司法試験合格者名簿になく、どうやら不合格らしい

と伝えられたことで、騒ぎが再燃するのではないかと気がもめる。

 

古今東西、“身分違いの恋”と“道ならぬ恋”はストーリーテラーの得意分野である。

時代が変わっても、似たような話が延々と繰り返されるのは、裏を返せばそれが読者の

お気に入りということだろう。ところが、現実の世界になると人々は眉を顰め、挙句の

果てはバッシングへと進展する。

自分自身は心のどこかで”身を焦がすような恋物語“にあこがれながら、他人は許せな

い。その自己矛盾に蓋をして、高貴な人たちやタレントなら反撃されることもなかろう

と言いたい放題に襲い掛かるのが、自慢にはならない大衆心理だ。

それを知ってか知らずか、世界の王室にはスキャンダルまがいのゴシップが多い。

おなじみの英国王室を除いても、次のごとく話題には事欠かない。

・オランダの前国王ベアトリクス女王は、ナチスの記憶が冷めやらぬ中、ドイツの外交

官との結婚を強行し、結婚式場にはこれに反対するデモ隊が詰めかけた。

・ノルウエーの皇太子妃となったのはシングルマザーで、彼女の息子の父親は服役歴の

ある麻薬常習者、彼女自身も麻薬使用歴のある女性だった。

スウェーデンのヴィクトリア王女(王位継承1位)高校時代からの恋人と別れ、

元スポーツジムのトレーナーと結婚した。

 

これらはいずれも国民が猛反対した現代の出来事であり、遠い昔の話ではない。

これに比べれば、わが日本の皇室の問題などいかほどのことが在ろうか。

考えてみれば、秋篠宮の苦渋のご決断は誠に適切であったと言わざるを得ない。

もし二人の仲を引き裂いたとすれば、国民としても後味が悪く、また皇室に定められた

所定の儀式を挙行すればしらける。

我が国では、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する。(憲法24条)

二人は結婚し、眞子さまは皇室を離れ小室眞子という一般人となった。

そして、二人の挨拶と質問に対する文書回答があったのだから、もう解放してあげよう

ではないか。この期に及んでも反対の声を上げ続ける人たちは、皇室を憲法の外に置こ

うとでもいうのであろうか。

 

先に上げた3例とは逆の話になるが、デンマーク王室の例は将来の皇位継承問題に影響

を及ぼす可能性があるので、付け加えておきたい。

デンマーク王には男子がなく、王位は弟の系統に移ることになっていたが、国王の長

女マルグレーテは幼いころから国民の人気者で彼女が王位を継ぐことを望む声が高かっ

た。そしてついに、彼女が13歳の時デンマーク憲法を改正して彼女を推定相続人とす

るに至った。それがデンマーク初の女王マルグレーテ2世現国王である。知性と美貌を

兼ね備え、気さくな人柄で親しまれる身長180cmの堂々たる女王だ。

結婚相手はフランス人の外交官で、二人の間に生まれた皇太子はオーストラリア人と結

婚して王子と王女そして双子の王子・王女が生まれている。

デンマークは2009年に長子相続制に改正したので、孫たちの王位継承順位は第1皇子、

第1王女、第2皇子の順となっている。

日本の皇位継承問題に関して、識者の中には、このデンマークの例を参考にすべきだと

いう意見がかなり有力な案として存在する。

王族であれ、皇族であれ、一般人と同じく恋をする。王位継承者も同じだ。

そして現代の民主国家なら二人の結婚を禁じる法はない。国民の反対は無力である。

現在の皇室典範では皇位は男系の男子が継承すると定められている。

言うまでもなく、その条件は極めて厳しいものだ。だから、皇位継承の安定性を高める

ために女性天皇を認める案が浮上するのはある意味当然である。過去には女性天皇の例

があるので案外抵抗はないかもしれない。

しかし、デンマークの例が示すように、一旦女性天皇を認めた時は必然的にそこからは

女系に変わり、その後は長子優先に変わってゆく可能性が高い。

いわゆる万世一系天皇を戴いてきた我々日本国民はどこまで耐えられるだろうか。

たとえば将来皇太子が金髪女性に恋をし、結婚したいという意思を明らかにした場合、

すんなりそれを受け入れられるだろうか。

我々はそんな事態をある程度覚悟しておかねばならないのかもしれない。私自身は何と

か我慢できそうな気もするが、もし女系天皇を認めその配偶者に青い目の男性が選ばれ

るような事態となるととても我慢できそうにない。やはり、女性天皇は認めるとしても

何とか男系を維持できるよう旧宮家の復帰あるいは養子などの方策が必要だと思う。

 

なんだか話があらぬ方向に進んで、ツッコミどころ満載のブログとなってしまった。

もっともありそうなツッコミは「聞く耳を持たないのは眞子さんの側ではないか」とい

うものだ。もう一つは「お前こそ聞く耳を持たないやつだろう」というご指摘だ。

それはちょっと話がずれていると反論する用意もあるにはあるが、ややこしくなるので

止めにする。

いずれにせよ、悩ましい秋の夜更けではある。

                          2021.11.3