大坂の吉村知事が“大都市のワクチン接種を優先せよ”と直訴した。
よくぞ言ったとほめてやりたい。と同時に、やはりそれを言えるのはこの人しかいない
のかと少々寂しい気持にもさせられる。
現実的には人材不足で実行できなかったにせよ、もし早い時点で、例えば専門家会議が
この提案を行っていたならば、その後の様相はずいぶん変わっていたに違いない。
日本は―とくに人文系の学会と大手のメディアは、今もなお敗戦後急に地位を入れ替わ
った人たちと、元気だったころの日教組の教え子たちに牛耳られている感がある。その
結果、いわゆる“おててつないでゴールイン”式のおかしな平等意識が蔓延して、政治が
機能しなくなっている。その歪んだ平等意識の”蔓延防止”は、どうやら若い人たちに期
待するしかないらしい。
さて、日に日に近づいてくるオリンピックなのだが、中止を叫んでいた人たちは、ここ
にきて一斉に無観客開催へと舵を切ったように見える。そしてその勢いは、首都3県の
感染拡大傾向に後押しされて増大しつつあるように見える。
医療のひっ迫と将来の死者数を見通す指標となる「重症患者数」は、6.22の721人から
一貫して減少し続け、間もなく500人を切りそうな状況なのだが、東京だけを見ると40
～50人でほぼ横ばいとなっている。誰の目にも大都市圏のワクチン接種を急ぐことが喫
緊の課題であることが見えているのだが動きがない。何と都知事は入院中なのだ。
この様子では、高揚感どころか梅雨空のような暗雲を漂わせたままで、オリンピックは
開催を迎えることになりそうだ。
ならば、それぞれ勝手に、せいぜい楽しもうではないか。
ということで私のメダル予想を立ててみたい。
まずはアメリカの「Gracenote」の予想を見てみると次のようになっている。
1位はアメリカで、金43、銀30、銅41 合計114、2位は中国の85、3位はロシアの
７3で、日本は金34、銀16、胴9、計59個のメダルで4位との予想である。
おそらくこの予想は大きく外れる。アメリカと日本の金の差が9個なんてありえない。
開催国の銅がこれほど少なくなるとも思われない。
もう一つは「BonusFinder」の予想だが、こちらは割といい線いってるので詳しく書い
てみると下表のとおりである。赤文字は私の予想で、日本はロシアとの3位争いを制し
て3位となる予想だ。
金 銀 銅 計
アメリカ 47 35 35 117
中国 42 22 23 87
ロシア 25 20 22 67
日本 28 22 14 64
27 24 26 77
1964年の東京で獲得した日本のメダルは、金16銀５銅８、合計29で、米・ソ・独に次ぐ
4位であったが、実は金16は3位という成績であった。尚、中国の五輪参加は1984年の
ロサンゼルス大会からで、国際舞台には登場していない。
モントリオール大会（1976、カナダ）のような例外もあるが、開催国のメダル数はそれ
までの成績と比べて急増するのが常識である。前回の東京大会では、その前のローマ大
会の1.6倍のメダルを獲得した。その図式を当てはめると2016年のリオでは41個のメダ
ルを獲得しているので、41×1.6＝65.6のメダルを期待できることになる。その数値は
BonusFinderの予想とおおむね一致している。しかし私は、ロシアのドーピング問題、
世界的なコロナの影響、新種目における日本の優位、開催国の地の利などが影響して、
もしかすると2位争いを演じてくれるかもしれないと期待している。近年のスポーツ界
における日本の存在感は広い範囲で著しく増大している。
日本人が自信を取り戻すことを危惧するような人たちもいないわけではないが、声を上
げなくても私同様に、この大会をそれなりの成功に導き、かつ日本人選手が大活躍をし
てこの国に元気が戻ることを願っている人も少なくないはずだと信じている。
蛇足ながら、私が楽しみにしているのは、野球、サッカー、陸上男子4×100リレーそれ
に「新体操」だ。フェアリー・ジャパンの演技には心地よい緊張感と感動がある。
とくに気になる選手は、柔道の阿部兄妹、鉄棒の内村、テニスの大坂、ゴルフの松山と
いったところで、これらの見逃せない試合を、深夜でもなく録画でもなく生で見られる
のは有難い。
2021.7．4
