樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

世界は甘くない(J-57)

 

自慢にはならないが、年寄りのくせに夜更かしの朝寝坊である。

それがどういうわけか6時前に目が覚めてしまった。

覚めたからには観ずばなるまい。今日はMLBの開幕で日本人投手が先発する。

しかも二人である。ツインズの前田とパドレスダルビッシュ投手だ。

2017年の例(田中将大ダルビッシュ)があるので、初めてというわけではないが、

今年のオープン戦では二人とも極めて状態が良かったので、揃って快投を演じてくれる

のではないかという期待は膨らんでいた。観戦しようと決めていたわけではないが、

珍しくバッチリ目が覚めたのはそのせいだろう。

TVとスポーツナビを立ち上げてみると、試合はどちらもリードしている状態であった。

どうやら両者ともに無難なスタートをしたようで、すでに失点していたので完封の

望みは断たれていたが、勝利投手にはなれそうな状況であった。

ところがそう甘くはなかった。二人とも勝利投手の権利を得る直前に降板させられてし

まったのである。

前田投手は4回1/3を投げ、被安打6奪三振5与四死球3失点2(自責1)でマウンド

を降り、チームは延長10回タイブレークの末サヨナラ負けとなった。

ダルビッシュの方も同じように、4回2/3を投げ被安打8奪三振6与四死球1失点4で

降板となった。ただパドレスは最終的に8-7で勝利した。

残るはエンゼルスの大谷だが、こちらも開幕試合はノーヒットに終わった。

ただ彼にはツキがあった。1点を追う8回、先頭のフレッチャーが内野安打で出塁したあ

と、あわや併殺打かと思われた大谷の打球を二塁手が悪送球してチャンスが広がり、

結局大谷の生還が決勝点となって、チームは開幕戦の連敗を7で止める歓喜の逆転勝利

となった。

この日、実はもう一つ注目の試合があった。

LPGAのメジャー大会の一つに数えられているANAインスピレーションの初日が行われ

ていたのである。

この試合には、アメリカを主戦場としている畑岡奈紗上原彩子、河本結、野村敏京

加えて渋野日向子、笹生優花、原英莉花が参戦している。

しかし、注目の渋野は初日イーブンパーで49位タイ、思いどうりにはならない。

かくのごとく、一日中日本人選手を追いかけ回してみたものの、思い知らされたのは、

“世界は甘くない”という現実だ。

しかし、いずれもあと一息のようにも見える。今後に期待しよう。

                            2021.4.2