樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

不可解なニュース二つ(J-35)

 

9.27、女優 否、今や大女優の名がふさわしい竹内結子の突然の訃報は、

内外に少なからぬショックを与えている。

しかも、それが自殺らしいということで、衝撃は何倍にも膨れ上がった。

 

“人の心は分からない” という説に異を唱えるつもりはないが、

一家だんらんの夕食を終えてそのわずか後に、ゼロ歳の赤子を残して

母が遺書も残さず自殺をするものだろうか。

詮索好きのメディアが、そのわけを知ってか知らずか、今回は何も伝えない。

病気、対人関係、経済的理由・・・つながるものは何もないのだろうか。

3日を過ぎても、その背景は全くの闇、不可解としか言いようがない。

 

一緒に取り上げて誠に申し訳ないが、実は朝鮮半島からも不可解な

ニュースが流れついている。

発端は9月21日、韓国海洋水産部の職員A(47)が北との国境付近の海域で

行方不明となり、海上警察や軍まで動員して捜索中、Aは北の警備艇に捕捉

され、射殺されてその場で焼却処分されたことが、無線傍受と目視により

明らかになったという事件である。

南北の主張に食い違いがあって、よくわからないところもあるが、

本当らしい情報を時系列で並べてみるとこうなる。

 9.21 12:51 Aが昼食時に姿を見せず失踪判明、海洋警察に通報する

      13:50 韓国軍、海洋警察が加わり捜索開始 

 9.22 15:30 北が侵入者を補足したという情報を韓国軍が無線傍受する 

            16:40 それがAであると特定する

         18:36 経緯を文大統領に書面で報告、特に指示なし 

               21 : 00 北の現場に射殺命令が下る(北は否定)  

               21:40 射殺命令実行 (北は現場の判断によると釈明)  

            22:30 「射殺した」という現場の報告を傍受する

            22:11 韓国側が焼却の火を視認する

                

  9.23 01:00 関係長官会議を招集   

    08:30 国家安保室長、秘書室長が大統領に直接報告    

    16:30 国連組織を通じ北に通知文(=事実を把握したい)

        大統領は国民に知らせるよう指示

    (01:26~文大統領の国連演説=9.15収録の録画再生)

 9.24 08:00 関係長官会議 

    09:00 大統領に報告

    11:00 韓国国防部、事件の内容と立場を公表

    15:30 NSC事務処長(安保室第1次超)会見

    17:15 報道官が文大統領の発言を伝える

        “衝撃的な事件でとても遺憾だ。いかなる理由でも

        許されることではない。北韓当局は責任ある返事と

        措置をとるべき“

 9.25 AM  北から朝鮮労働党中央委員会統一戦線部名義の通知文が届く 

       ” 侵入者は質問に答えず逃走するそぶりを見せた                                                                                     

        射殺は艇長の判断で、焼いたのは浮遊物。

        一方的な憶測で、「蛮行」、「応分の対価」など の不敬な

        表現は遺憾。

        金正恩 同志は「我々側の水域で予想外の不幸な出来事が発生して

        文在寅大統領と南側同胞たちに大きな失望感を与えたことに対して

        非常に申し訳なく考えていると伝えるように」と仰った。“       

    PM   文大統領は北の返事にこんなことは初めてだと大喜び。

        9.8~9.12にかけて金委員長と交わした、双方のお世辞と美辞麗句満載 

        の親書まで全文公開した。                          

 9.27   北の“遺体は不明”の言葉に反応してか、大規模な捜索を開始 

      これに対し北から警告が発せられる

      “南の領海内でいかなる捜索活動も意に介さないが、我々の領海侵犯は

      絶対に見逃せない“

 

経緯は概略以上の通りであるが、韓国内では、Aが北に捕捉されてから射殺までの

約6時間の無策といった、初期段階での不手際などを、あのセオウル号沈没事件に

おける前朴政権になぞらえて、政府を批判する声が一部に広がっている。

然し私の頭に真っ先に浮かぶのは、あの「自衛隊機へのレーダー照射事件」である。

あの当時、北と南は明らかに”連携“していた。少なくとも、速やかな意思疎通手段を

有していたのである。

ところがどうだろう。今は連絡手段がないらしい。

「南北共同連絡事務所爆破」、「射殺」、「捜索救助活動であろうと領海侵犯

絶対不可」・・・これが現実だ。

文大統領の対北外交は、まるで悪女に魅入られた哀れな男のごとく、完璧に“手玉”

に取られてばかりを繰り返している。それでもなぜか、かなりの支持がある。

確かに18年には76%あった支持率が48%程度に落ちてはいる。

しかし、それでもなお50%近い支持を保っているのである。

この韓国民の心情もまた、“不可解”としか言いようがない。

                      2020.10.1