樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

注目すべき情報を何故無視するのか(J-24)

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のチームが、注目すべき事実を発表した。

この大学、今や信用ならないWHOに代わって、最も信頼される存在なのだから

重みがある。

医学分野のノーベル賞受賞者は16人を数え、未だ感染者ゼロという岩手県の、

達増拓也知事もこの大学院に留学している。

岩手県の奇跡は、この知事がすばやく東京・大坂からの来訪者に2週間の外出

自粛を要請したことが、まちがいなく効いている。

 

さて、注目すべき情報であるが、概略次のようなものだ。

“チームは欧米や韓国などのPCR検査データを基に、発症前後で感染者を陽性と

判断できるかを分析した。その結果、発症4日前に陽性だったのは0%、前日

で33%で、発症日でも62%にとどまることが分かった。的中率最大は

発症3日目の80%で、また「陰性」でも感染者が紛れ込む可能性が大きく、

検査が感染していないことの証明にはならない“

 

これを31日の毎日新聞が控えめに報じた。

もう少し詳しく知りたくて、デジタル毎日を検索してみたところ、

何とこれが「有料記事」になっている。「ふざけるな!」と言いたい。

気づかないのか無視しているのか、他のメディアはいたって冷ややかだ。

 

実は日本でも注目すべき意見を発表している医師がいる。

国立病院機構仙台医療センター・ウィルスセンター長の西村修一先生だ。

東洋経済のコラムニスト大崎明子氏のレポートによると、

西村先生は、「『PCR検査せよ』と叫ぶ人に知って欲しい」の中で、

“検査を受けた人にとって『陰性』という結果の使い道はない”

と、端的に語っている。

ジョンズ・ホプキンス大のレポートは、まさにこの言葉をデータで示した

ものと言えるだろう。

 

これらをふまえて、

PCR検査一点張りのテレ朝モーニングショーに変化があるかどうか、

少々気になったので、久しぶりにチャンネルを回してみた。

今朝は北九州市の第二波とも思える感染拡大の話題である。

そこで、北九州市が濃厚接触者全員に検査を行い、

大勢の無症状感染者を摘出したことを高く評価し、

「これこそ番組が従来から主張してきたことだ」と胸を張った。

・・・・思わず笑ってしまった。

「国民全員検査しろ」と言っていたことを忘れたわけではあるまい。

“濃厚接触者全員検査した”というのは、クラスター対策に重点を置いてきた

これまでの対策をさらに強化したもので、強化できる体制が整ってきた証とも

言える現象だ。

しかし、ここで忘れてならないことは、全員検査で「陰性」と判定された人達が、

”感染していないこと”の証明にはなっていないということである。

新型コロナが「指定感染症」に指定されたがために、感染者は無症状でも

入院勧告などの制約を受けることになっているが、本来的には濃厚接触者は全員

検査の如何にかかわらず、それなりの行動自粛が必要なのである。

テレ朝はまだわかっていないようだ。

                    2020.06.01