樗木(ちょぼく)の遺言と爺怪説

愛国的好奇高齢者の遺言と違和感をエッセイ風に・・・

COVID-19 は最強か (J-1)

遺言シリーズとは別に、時事問題や最近の世相に感じる

”違和感” を「爺怪説」シリーズとしてとりあげてみたい。

その第一回(J-1)である。

 

昨年末中国で発生した

新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。

中国そのものは ようやく下火になりつつあるのだが、

韓国、イタリア、イランで感染者数の急拡大が報じられ

その他の地域にも次々に飛び火しているのが現状だ。

日経新聞がインターネットで毎日更新している

「新型コロナ感染マップ」を見ていると

”ただ事ではない” 様子がひしひしと伝わってくる。

気になるのは、熱帯地方や南半球にも感染が広がっており、

これが季節性の感染症ではないということだ。

 みんなが 口には出さないように気を使いながら

心の底でオリンピックを心配している。

 

世界が ”封じ込め” に失敗した原因の一つとして、

初期段階における中国とWHOの ”怪しい関係” が 

取り沙汰されている。

中国は情報公開に極めて消極的で、

WHOの初期段階でのコメントも

”中国内外の旅行規制を必要とするほどではない”であった。

当然のごとく 世界各国が ”水際阻止” に失敗した。

そもそも 国際交流が活発になった現代では、 

問題が明らかになったときには

すでに水際は突破されていることが多い 

と覚悟しておかねばなるまい。

 

SARSやMERSに比べると重篤率や致死率が低く、

過剰に反応することはないと言っていたメディアも 

今や180度転換して、もたつく政府の追及・非難に余念がない。

それに煽られたかのように、総理は小中学校の休業を要請し、

さらに たたみかけるように「非常事態宣言」の可能性に言及して、

その準備段階として「特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)」

の改正に向け行動を開始した。

メディアの一部は またまたこれが気に入らないらしい。

曰く

”子供より高齢者だ”

”共働き世帯はどうする?” ”経済は?”

”特措法を改正しなくても非常事態宣言は出せる”

といった塩梅である。

彼らは いつものように、

「安倍政権はけしからん!」と声張り上げる

「安倍止めろ合唱団」のアルバムにこれを加えようとしている。

 

もはや常識なのだが、 

ウィルスは自分では増殖できず宿主の細胞を利用する。

だからウィルス側から言えば、最も進化したウィルスとは、

”感染しても宿主が平気なウィルス” だ。

”最強・最恐のウィルス” は 致死率の高さではない。 

その意味で、このCOVID-19はSARSやMERSと比べてたときに、

最強であると云うべきかもしれない。 

その証拠は感染拡大のスピードと範囲が示している。

 

COVID-19が大好きな宿主は

なるべく 不顕性で 活発に活動してくれる宿主

つまりは多くの子供たちだ。

だから学校閉鎖はかなり有効な対策の一つに違いない。

「けしからん合唱団」の歌詞には

”この期に及んで” だとか

”今はそれどころではない” といった言葉もある

しかしそれは ”いちゃもん” に近い。

なぜなら ひとは往々にして 

”それどころじゃない” ときにしか問題意識をもたないからだ。

 

囲碁の格言に ”大場より急場” というのがある。

(差し迫った状況への対処が優先されるべきである) 

ということなのだが、

対局者は常に、どちらが先に”大場”に先着できるかを考えている。

それが勝負の分かれ道でもある。

この感染拡大の急場において、急場に集中するのは当然だが、

法の整備や 一時話題になった病院船の構想など、

いわば”大場”ともいうべき課題も忘れてはなるまい。